~その不調、体に取り込む普段の栄養素が原因かも~
冬に向かって増える感染症にノロウイルスによる感染症(嘔吐・下痢など)があります。牡蠣の食あたりとしても知られていますが、まずは敵(ウイルス)の本質を知ることで予防、対処できることでしょう。
牡蠣とノロウイルス
生食牡蛎中毒の原因が発見されたのは、1972年で小型球菌形ウイルス郡(Small Round Structured Virus)と呼ばれたのですが、その後国際学会で、最初の患者が発見されたアメリカの町の名前から、ノロウイルス(ノーウォーク・ウイルス)と名づけられました。このウイルスは人間の腸壁細胞の中でしか繁殖できないのですが、下水を通って海に流れていきます。牡蛎などの二枚貝(あさり、ほたて、まはぐり)などは海中においてプランクトンと一緒にウイルスを吸い込み、蓄積すると考えられています(牡蛎の中ではノロウイルスは増えません)。ノロウイルスによる患者は厳寒時に多発するので、1、2月に罹病率が高くなります。寒い冬の時期、幼稚園や老人ホーム等でノロウイルスによる食中毒が時々起こっていますが、これは牡蛎とは全く関係ありません。但し、生や加熱不十分な状態のカキを食べることにより、ノロウイルスが体内入り込む事は十分に考えられます。すべての人が感染するわけではありませんが、体調がすぐれない時や、乳幼児、高齢者の方は注意が必要です。
ノロウイルス不活性化:85度で1分以上の加熱
今のところ、人為的に牡蛎の体内に取り込まれたウイルスを取り除くことはできないのが現状のようです。生食用に関しては、菌やウイルスによる規制がとられていますが、これは日本だけのようです。欧米では、生牡蛎を食べるということは自己責任が伴うという伝統的な考え方の方が強いそうですよ。
焼き牡蠣レモンポン酢